対テロ戦世界規模に 「9.11」から11日5年

対テロ戦世界規模に 「9.11」から11日5年 (西日本新聞) - goo ニュース


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対テロ戦世界規模に 「9.11」から11日5年
2006年 9月10日 (日) 17:09


■世論離れ揺らぐ政権 米国

 【ニューヨーク9日田端良成】2001年9月の米中枢同時テロから丸5年を迎える中、ブッシュ政権の金看板である「テロとの戦い」が泥沼にあえいでいる。主戦場とも言えるイラクは宗教対立も絡んで今や「内戦に発展する環境」(国防総省報告書)。イラク戦争では、駐留米軍の死者は03年3月の開戦以降、2600人を突破した。ブッシュ大統領は、イラク戦争が最大の争点となる11月の中間選挙を意識し、開戦責任を認めるなど誠実さをアピールする手法に軸足を移しているが、国民との間にできた溝は簡単には埋まりそうにない。

 野党・民主党がブッシュ政権を攻撃する格好の材料にしているのがイラク戦争での駐留米軍死者数だ。開戦から戦闘終結宣言(03年5月)までの約6週間で死者は150人余りだったが、宣言後から現在までに2450人以上が死亡。現地の治安が改善する兆しがないことから米軍は引くに引けない状況に陥っており、駐留規模は13万人台で高止まりしたまま。また、死者の中には平時には一般企業の社員や農民、医師、弁護士などさまざまな職業に就いている州兵も多く、「州兵の戦死が地域経済や会社経営などに支障をきたしているケースもある」(米メディア)という。

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 「あまりいい気にならない方がいい。聖戦の旗は降ろさない」。テロ組織「イラク・アルカイダ機構」幹部のザルカウィ容疑者が米軍の空爆で死亡した今年6月、国際テロ組織アルカイダの最高指導者ウサマ・ビンラディン容疑者とみられる人物がウェブサイトで録音音声を公開した。
 「テロとの戦い」に対する国内からの批判が高まる一方、地球規模でブッシュ政権の基盤を揺さぶっているのは、こうしたテロ組織の連動だ。ブッシュ政権はアルカイダがテロネットワークを維持しているとみてその捕捉に懸命だが、マドリード(04年3月)、ロンドン(05年7月)で起きたテロは、「アルカイダ水脈」につながる。
 ホワイトハウスは今月5日、「テロとの戦いのための国家戦略」改訂版を発表したが、この中でテロとの戦いは「長い戦いになる」と認めざるを得なかった。

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 米国は今、11月の中間選挙に向けて政治の風圧が日増しに強さを増している。大統領がイラク戦争の開戦責任や現状の厳しさを認める「誠実路線」へと変更したのは、世論の支持回復を狙ったからにほかならない。
 加えて大統領は、共和党支持の退役軍人の集まりで「われわれの敵は20世紀のファシストの後継者たちだ」と演説、危機感をあおる手法で「身内」の引き締めにも躍起になっている。それでも米国内の各種世論調査では、中間選挙での「共和党劣勢」が大半を占める。「テロとの戦い」で抜本的な政策変更がなければ、中間選挙はおろか、ブッシュ政権そのものが瓦解しかねない情勢だ。


■力による抑止偏重反省も 欧州

 【パリ9日井手季彦】米中枢同時テロ以降、欧州ではスペイン列車同時爆破テロ(2004年3月)、ロンドン同時テロ(05年7月)と続いたことから、各国政府はテロ対策強化に力を入れてきた。05年12月には欧州連合(EU)が(1)テロ組織への新規加入を阻止する(2)テロ攻撃への対応能力を高める-など4点を柱とする戦略で合意。米と連携を深めながら、航空機搭乗者の個人情報を捜査当局に提供することを認めたり、電話や電子メールの記録を2年間保管させることを決めている。

 先月10日、英治安当局が旅客機爆破テロを未遂で摘発したことはこうしたテロ対策の一定の成果ともいえる。だが一方でブレア英首相は「対テロで米と共闘してきたが、軍事力を偏重しすぎた結果、穏健派イスラム教徒を敵に回してしまった」と言明。欧州各国は衛星放送やネットを通じたイスラム原理主義の洗脳キャンペーンや、モスクを舞台に聖職者の一部が過激な思想を広めていることに危機感を募らせる。

 こうした中、過激派に左右されないしっかりとしたイスラム教徒づくりのため、フランス北東部リールに近く聖職者養成学校が開校されるなど、イスラム教徒側にも動きがある。運営団体のイスラム教フランス会議のモハンマド・ベカリ副議長は「多様な文化の中でイスラム教は共生していくべきだ。知識と対話の資質をもった聖職者を育てたい」と話している。


■JI指導者動向に注目 東南アジア

 【バンコク9日永田健】9.11テロ後も、東南アジアではイスラム地下組織「ジェマ・イスラミア(JI)」によるとみられる大規模なテロ事件が、毎年のように発生している。JIは資金や武器調達、工作員訓練などの面で国際テロ組織アルカイダとの密接な関係を指摘されている。

 インドネシアでは2002年10月、バリ島で連続爆弾テロが発生し、外国人観光客ら202人が死亡。03年8月はジャカルタの米国系ホテルで、04年9月は同地のオーストラリア大使館前で爆弾テロが起きた。また05年10月は再びバリ島で同時爆弾テロが発生、日本人も犠牲になった。これらの事件はいずれもJIが主導したとみられている。

 JIは、東南アジアに汎イスラム共同体を建設し、世俗国家を倒してイスラム国家を樹立することを目的とする。インドネシアを中心とし、マレーシアやフィリピンなどに地域組織を持つとされるが、実態ははっきりしていない。

 03年8月には、JIナンバー2のハンバリ容疑者が逮捕されるなど、米国や東南アジア諸国が協力したテロ対策に一定の成果があがったようにみえた。

 しかしその後もテロは発生。今年6月にはインドネシアで服役中だったJIの精神的指導者アブ・バカル・バシル氏が出所したこともあり、今後の動向が注目されている。


=2006/09/10付 西日本新聞朝刊=
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  by super_shinka2 | 2006-09-11 08:48 | 国際

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